体外受精スタート

アンタゴニスト法による初めての採卵準備。自己注射を6日間続け、採卵日が決まるまでの記録です。

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初めての体外受精を始めたころの話

夜空に浮かぶ満月

ついに、体外受精の治療が始まりました。

体外受精は、体の外へ取り出した卵子と精子を受精させる治療です。受精後、培養して順調に分割した卵を「胚」といい、その胚を子宮内へ戻すことを胚移植といいます。

まず必要なのは、採卵へ向けて卵子を育てることでした。

初回はアンタゴニスト法

初めての採卵で行ったのは、アンタゴニスト法という方法です。

月経3日目から数日間、卵巣刺激注射を使って複数の卵胞を育てます。

私が使ったのは、ゴナールFという皮下注射でした。おへその周りか、おしりへ注射します。

そして、この注射。

自分で打たなければなりません。

自分のお腹へ、自分で針を刺す

めっちゃ怖い。

自分のお腹へ自分で針を刺すなんて、何の拷問なのかと思いました。

先生から採卵までの流れを聞いたあと、看護師さんから注射の使い方を教わります。

看護師
「細い針だから痛くないよー」

そう言われても、針は針です。

細いと説明された瞬間に恐怖が細くなるわけではありません。

毎日だいたい同じ時間に打つよう指示されたので、お風呂上がりの清潔なお腹へ打つことにしました。

針を持ち、おへその周りのプニプニした部分へ垂直に構えます。

いざ。

ぷすっ。

……あれ?

全然痛くない。

一瞬、ごくわずかにチクリとしただけでした。刺す前はあれほどためらっていたのに、終わってみれば拍子抜けです。

これなら毎日、必要以上に怖がらず続けられそうだとホッとしました。

注射を約6日間続ける

自己注射は、6日間ほど続けました。

その間、数日おきに超音波検査を受けます。確認するのは、卵胞の大きさと数、そして子宮内膜の状態です。

卵巣刺激注射を使うと、卵巣の中でいくつもの卵胞が育っていきました。育つ数には個人差がありますが、このときの私はたくさん育っていました。

そのぶん卵巣はパンパンになり、お腹が張るほどです。動くと下腹部が重く感じました。

画面で育っていることを確認できるのはうれしい。でも体は、しっかり「現在、卵巣が頑張っています」と主張してきます。

排卵を抑えたあと、今度は排卵を促す

卵胞が14mmくらいまで育つと、育てた卵子が採卵前に排卵してしまわないよう、排卵を抑える注射を数日間、病院で打ってもらいました。

採卵日は、月経開始から13日目あたりの予定です。

予定日の2日前に卵胞チェックを受け、きちんと大きく育っているか確認してもらいました。

結果、卵胞はよい大きさまで育っています。

予定どおり採卵することが決まりました。

そして、その日の夜21時。

今度はHCG注射という、排卵を促すための注射を打ってもらいます。この注射から36時間後に採卵するため、時間厳守でした。

排卵を抑えたと思ったら、次は決められた時間に促す。

卵子と時計を見ながら進む、かなり時間管理の厳しい作戦です。

2日後、朝8時に採卵

採卵は、2日後の朝8時に決まりました。

初めての採卵。

自己注射は想像していたほど痛くありませんでしたが、採卵はまだ未知の世界です。

ドキドキしながら、当日を迎えることになりました。

写真のこと

記事の写真は、私が撮影したスーパームーンです。

この写真を撮るためだけに、天体望遠鏡を買いました。

自己注射にはあれほど慎重だったのに、天体望遠鏡の購入は思い切りがいい。好きなものに対する行動力とは、そういうものです。